札幌黄の特徴
「札幌黄」は、生産の面では、均一な玉ねぎが生産されるF1品種と比較して、個性豊かで、長い球や、ややいびつな球なども発生しやすく、形状が不ぞろいで野生児的な品種だが、鬼皮の色や、味など優れた遺伝子も多くあり、現在の道内のF1品種の多くにその血が受け継がれている。また、「札幌黄」は、りん葉がやや厚く、軟らかい性質を持っている。同じ大きさの球であれば、「札幌黄」は肥大したりん葉の枚数が若干少なく、その分、一枚一枚のりん葉が厚くなる傾向が見られる。さらに、「札幌黄」は高貯蔵性のF1品種に負けない糖度を有し、辛みとのバランスも良いことから調理素材としては魅力的である。そのため、今でも「札幌黄」を探し求めているシェフは少なくない。「札幌黄」は北海道の玉ねぎ栽培の100年を支えた品種であり、いつまでもその種を守っていきたい品種である。